幼少期の外国語教育

うちには2人の娘がいます。2017年夏の時点で15歳と13歳です。

上の娘は、日本で英語と日本語による教育を受け、中学校1年生を終了後、ハワイに来て1年を経過しました。

下の娘は5歳からハワイの学校に通い、日本語での教育はほとんど受けていません。

この2人の語学力には大きな差があります。

英語力

  • 上の娘 現地の同年代とほぼ問題なく意思疎通ができるが、読み書きは苦手
  • 下の娘 現地の同年代と同等かそれ以上の英語力がある。

日本語力

  • 上の娘 日本語の読み書きはほぼ問題ない。年相応の日本語を話す。
  • 下の娘 日本語を聞くことができるが、返事は英語ですることが多い。日本語の読み書きはほぼ出来ない。

上の娘は日本語が母語、下の娘は英語が母語となってしまった様です。

考え方

  • 上の娘 日本の価値観を理解しつつ、アメリカの価値観を取り入れている。
    中身はオープン目な日本人。日本語で考える。
  • 下の娘 アメリカの価値観がほぼ全てで、日本の価値観の影響はごくわずか。
    中身や判断基準はアメリカ人。英語で考える。

本人の性格もあるので、判断は難しいですが、おおよそこの様なイメージです。

将来の課題

  • 上の娘 英語の読解力、語彙をかさ上げしないと、米国の高等教育での好成績を維持することは難しい。
    日本で進学する場合は、日本語の語彙力を上げる必要がある。
    日米双方の社会への適応は比較的容易か?
  • 下の娘 英語圏で進学する限りは、まったく問題ない。
    日本で進学する場合は、英語での授業があるところでないと難しい。
    日本語の読み書きをマスターするには相当の努力が必要。
    日本社会へ適応するには、大きなハードルが予想される。

上の娘は、おそらくそれほど苦労なく、日米双方の社会への適応できるでしょう。
下の娘は、日本社会へ適応するには、外国人が日本社会へ適応するのと同等の苦労があるでしょう。

セミリンガル化を避けるには

多言語の環境で育ち、その両言語において年齢に応じたレベルの言語力が身についていない個人はセミリンガルと呼ばれます。多くは、子どもの母語が十分に形成される前に、外国に移住した場合や、複数の国を行き来して育った場合に発生します。

セミリンガルに育ってしまった場合、高等な言語力を取得することが非常に難しくなり、双方の言語での学習に障害が発生してしまいます。

セミリンガル化を避けるには、子どもの母語が十分に形成されるまでは、子どもの母語の形成を阻害する環境に置かないこと、外国への移住を避けることが望ましいです。

具体的には小学校高学年〜卒業程度までは、日本なら日本、外国なら外国から環境を変えないことを推奨します。

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