辞書を引くと
常識とは 一般の社会人として誰もが共通して持っている知識や分別。
と載っています。
習慣や文化の違いによって違いはあると思ってはいたけど、チェンナイでは先進国の常識は通用しないです。
例をいくつか紹介したいと思います。
修理人
まずは優しいバージョンから。
暖かい国にありがちで、ハワイに住んでいる時も「ハワイアン・タイム」なんて、笑っていましたが、約束の時間に何かが起こる事はまずありません。
電化製品の修理をメーカーに依頼しても、約束の時間どころか、約束の日に現れず、「約束してない後日適当な時間」に連絡もなく勝手に現れたりします。
スケジュールを丸1日空けておいても意味が無かったりすると、初めはカチンと来てしまいます。
…そのうち慣れて「来ただけでも良かった」と思えるよう訓練されてきますが。
そして修理人を待ち続ける
そんな風に現れても、メーカーに連絡した際説明した、「何が問題か、どう動かないか」等の 情報は一切知らず、ただ現れるだけです。
ですから、「扇風機のモーターが壊れているようで ファンが回らない」と言って依頼しても、修理に来た人は「モーターが壊れているからファンが回らないようです。モーターを交換しないといけないので、モーターを持ってまた後日来ます」と言います。
そしてまた いつ現れるか分からない修理の人を待つことになります。
スピード違反の取り締まり
うちの近所の幹線道路では、警察官がよくスピード違反を取り締まっています。
運転手は、捕まると違反金の支払いに選択肢を与えられます。
- 100ルピー(180円程度)→違反金を払ったという領収書なし
- 300ルピー(540円程度)→違反金を払った領収書あり
当然 大概の運転手(日給約500ルピー)は安い違反金を払いますが、その100ルピーは取締りを行った警官のポケット行きだそうです。
誰もがそれを知っているにも関わらず平気でポケットマネーを稼ぐ警官たち…
スピードを落とさせるのに一役買ってもらっている と思うしかないようです。
市バスの穴
バスの入口にしがみ付いている乗客の姿は写真で見る通りです。
何十人もの客が入口付近にしがみ付いているので、混雑しているバスは、いつも傾いています。
先日、そんな市バスの床に穴が開いていたそうです。
満員の、穴の開いたバスの車内で、押された女性が道路に落ち、後続車にひかれて亡くなりました。
交通安全ポスター
チェンナイの交通安全ポスターには、「ヘルメットをかぶらないとこうなるぞ」という見せしめのために、事故の遺体写真がよく使われています。
来た当時は「ん?」と何度も確かめないと自分の目が信じられませんでした。
恐ろしい程の効果を期待してしまう衝撃的な写真ですが、現地の人には普通の光景のようです。
不幸をシェア
先日、友達の家で働くスタッフの子供が、切れてぶら下がっていた電線に触れ、感電死しました。
悲劇のの直後、「しばらく仕事に来れない理由」として、そのスタッフが自分の子供の遺体写真を友達に送ってきたそうです。
このあたりでは、葬式でも遺体が見える様に安置されています。
不幸をシェアするのが、通例のようです。
他の国から来ている私たちにはなかなか受け入れるのが、難しい事があります。
ドライクリーニング
ちょっと話が重くなったので、日常の非常識に話をもどそうと思います。
先週、ドライクリーニング店が主人のスーツを紛失しました。
店舗の責任者曰く「X日までにスーツの代金を返金するか、同じスーツを作って返却するので来てください」とのこと。
当日は、いつものようにその約束は果たされず、「分からないのでカスタマーサービスに連絡して下さい」と。
今更ながらカスタマーサービスに連絡すると、またいちから説明のし直し。
その後、カスタマーサービスはこちらの電話番号を登録したようで、電話に一切対応しなくなりました。
こんな時私は、つい自分の常識を振りかざし「せめて謝罪ぐらいしてほしい」と、執拗に責任を追及したりしてしまいます。 よくない習慣です…